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Cidade Histórica(歴史地区)、通称Pelourinho(ペロウリーニョ

 サルヴァドールを訪れる誰もが一度は足を踏み入れる、ユネスコ世界遺産登録の歴史地区・ペロウリーニョ。460年前、1549年にポルトガルによってここサルヴァドールに総督府が置かれ、砂糖産業によって栄え、多くの奴隷がアフリカからやって来た…その中心地がペロウリーニョでした。当時の繁栄をしのばせる豪華なヨーロッパ風の建築物やバロック。様式の古い教会がそこここに立ち並び、アフリカにルーツを持つ褐色の肌のブラジル人たちが今も多く生きる街。もう、そこにいるだけで独特の気分に浸れ、ぷらぷらと適当に散策するだけでも異国情緒満点の素敵なスポットです。

それほど広いエリアではないので、適当に歩いて楽しめる街ではあるけれど、お目当てのレストランや店を探。すのは、最初はちょっとわかりにくいかも。似たような小さい路地が入り組んでいて、ついついぐるぐると巡ってしまうのは私だけ…?(さすがに何度も通うと慣れますけど。)

 ところで。

「ペロウリーニョ」って、ラセルダエレベータ周辺のあたりからサンフランシスコ教会なども含めて、あのあたり一帯の旧市街全体を指す場合も多いんですが、厳密には、ペロウリーニョって「Largo do Pelourinho」のこと。エレベーター付近から10分ちょっと歩いて、カルモ教会に向かう途中の広く大きな坂になっている「ペロウリーニョ広場」のことを言うんですね。だから、現地の人と待ち合わせするときに、「じゃ、ペロウリーニョに3時ね」とアバウトに決めるのはかなり心配。人によって「ペロウリーニョ」の認識が違う場合がありますからね。

 ということで、まずはざっくりと、おおまかな地図・位置関係を見てみましょう。

大きい太い文字が「地区名」。

上から、
S.Antonioはサント・アントーニオと読み、
小さいポウサーダが連なる通り。
日本人客に人気の通称「青い宿」や「なお宿」も
この地区にあります。
ラセルダエレベータから徒歩15分強。

左の
Comercioはコメルシオと読み、
エレベータもしくはケーブルカーで降りて行く「下町」、
cidade baixa(シダーヂ・バイシャ)にあたります。

地図上の薄いピンクが下町。
濃いローズが「上町」、
cidade alta(シダーヂ・アウタ)です。
ここコメルシオには、お土産物を安くそろえるのに最適な
Mercado Modelo(メルカード・モデーロ)や、
Timbaladaなどのショウが行われる
Museu do Ritmo(ムゼウ・ド・ヒッチモ)があります。

真ん中よりやや下の
Pelourinhoがペロウリーニョ地区。
ただし、ペロウリーニョと言う場合、
厳密には大きい文字より少し上の三角になっている地帯、
Largo do Pelourinho(ラルゴ・ド・ペロウリーニョ)を
指すことがあります。待ち合わせにはご注意を。

カポエイラや、髪の毛の編み込みをやるのが、
四角い広場、Terreiro de Jesus(テヘイロ・ヂ・ジェズス)。

この地図では切れてしまって載っていませんが、
下町に降りるために利用する有名な
Elevador Lacerda(エレヴァドール・ラセルダ)は、
地図左下、Praça da Séのあたりにあります。

赤い建物のしるしは教会です。

ペロウリーニョの歩き方(例)

いつも私がたどるルートをざくっと書いてみます。
・バス停「Praça da Sé(プラッサ・ダ・セー)」に到着。
すぐに右手に進み、
Elevador Lacerda(ラセルダエレベータ)やPalácio Rio Branco(リオ・ブランコ宮殿)、市庁舎などがあるPraça Tomé de Souza(トメ・ジ・ソウザ広場)へ向かう。

・エレベータ右手の展望エリアから、目前に広がる美しい海、Baia de Todos os Santos(トードス・オス・サントス湾)を眺め、写真撮影。

Praça da Sé(セー広場)まですすみ、右手にお店たち、左手に噴水(たまにカポエイラの人たちあり)を見ながらさらに歩く。

Cathedoral Basilica(バジリカ大聖堂)を見て、広場で髪の編み込みやカポエイラをやっているのを見つつ、
Igreja de São Francisco(サンフランシスコ教会)を見学。入場料がかかるけど、あの金ピカぶりは必見。

・ペロウリーニョ広場方面に向かって石畳の狭い坂道を歩く。両脇に絵画やおみやげの店があるので時々のぞきつつ。
ジュースやアイスで水分補給しつつ。

・ペロウリーニョ広場に着いたら、やっぱり写真撮影。絵ハガキで見る風景。
 

・広場右手(Museu da cidadeを背に)のパステルカラーの建物群(Escola Senac)の一つにあるバイーア料理ビュッフェもしくは
ポルキロレストランで腹ごしらえ。

・ペロウリーニョ広場を降りて、さらに細い坂道を登り、左手のものすごく古い教会を眺めたり、右手のConvento do Carmo(カルモ修道院)を
眺めたりして進む。

・カルモ修道院を過ぎると、旧館をリフォームした可愛いポウサーダなどが増えてくる。途中、海側のバールに入って、海を見下ろしたりする。
とてもきれい。


・適当なところで来た道を引き返して帰る。
…と、これは昼間のコース。

夜の場合は、ペロウリーニョ広場へ下りる途中の路地ごとにあるバールで飲んだり、路地を練り歩くパーカッション軍団について歩いたり。名物レストランでムケッカを食べたり。夜は夜で賑やかで楽しいペロウリーニョです。

ペロウリーニョで出来ること
教会、博物館めぐり

クリスマスのミサが盛大に行われたり、室内楽のコンサートが行われる「バジリカ大聖堂」

ブラジルで一番、金の使用量が多いと言われる超豪華な内装が必見の「サンフランシスコ教会」

火曜の夜のミサが有名で、黒人による黒人のための教会として知られる「ホザーリオ・ドス・プレットス教会」

私は、この有名どころ3か所プラスアルファ数か所しか入ったことがありませんが、ペロウリーニョにはかなり多くの教会が集まっています。教会建築好きな人には魅力的なエリアでしょう。

博物館関係では、黄熱病の研究者としてサルバドールに来た野口英世博士の紹介もある「ブラジル最初の医学大学」
アフリカ関連の物が展示されている「アフロ・ブラジル博物館」
市立博物館、ジョルジ・アマード財団、オロドゥンの家などなど各種展示物がある施設もいろいろあります。

カポエイラ見物カポエイラ体験

カポエイラ実演は、バジリカ大聖堂付近のTerreiro de Jesusや噴水前でよくやっています。観光客向けのゆるい感じであるのは否めませんが、雰囲気は伝わります。見ていると必ず寄付を求めてくるので、小銭(1〜5レアル程度)を渡します。

体験してみたい人には、メストレ・ビンバの道場でレッスンがあるようなので、そちらに行ってみては?(私は未体験。)

カポエイラ経験者の方々が行っている道場もいくつもあるようですが、私は詳しくないのでここでの説明は出来かねます…。

パーカッション見物パーカッション体験

夜になると、小さなグループが太鼓をたたきながら路地を歩きだします。が、必ずしも毎晩ではなさそうだし、どんなグループが登場するのかは当日にならないと誰もわかりません。火曜の夜、金曜の夜はペロウリーニョが賑わうので、パーカッション遭遇率は極めて高いと思われます。これも、毎晩見回っているわけではないのではっきりとは書けないのがつらいところですが…。

カルナヴァル前の12月ごろから2月いっぱいまでは、オロドゥンのショーが毎週2回あります。
(詳しくは音楽・showいつ、どこで楽しめるのか…をご覧ください。)

パーカッションを習ってみたい方は、1回だけの飛び入り参加もOK!という先生のレッスンがペロウリーニョにいくつかあります。アタバキやチンバウなど手のひらで叩く太鼓を中心に、大太鼓やヘピッキなどばちで叩くものやペルクソンもやります。私が教わっているマカンビーラ先生はとっても人柄が良いのですごくお勧め!!料金、場所、開催日時などはメールでお問い合わせください。

生演奏を聴きながら飲んだり食べたり

いずれも夜に限った話ですが。
Quincas Berro d’Água(キンカス・ベッホ・ダ・アグア)という広場には小さなステージがあり、連日、何らかの生演奏ショーが行われています。広場の前には簡単なバールがあり、飲食しながら演奏を楽しめます。(詳しくは音楽・showいつ、どこで楽しめるのか…をご覧ください。)

このほか、路上の小さな店の前でもギターの弾き語りをやっていたり、サルサなどのショーをやるバーがあったり…あちこちに音楽つきの店があります。

店内での生演奏はないけれど、ムケッカなどで有名なレストラン「Sorriso da Dadá(ソヒーゾ・ダ・ダダ)」の右側の道をパーカッションが通ることが多く、音に誘われてつい店を出て見入ってしまうこともしばしば…。

同じくやや高級なレストラン「Mama Bahia(ママ・バイーア)」近くの道も、パーカッションの通り道です。

伝統芸能のショーを見る

こちらも夜限定の話ですが。

ショウのコーナーにも書きましたが、ペロウリーニョの「Teatro Miguel Santana」では、Balé Forclórico(バレエ・フォルクローリコ)、いわゆる郷土芸能のショウが火曜以外の毎晩行われています。カンドンブレーの踊りなども取り入れた、とてもバイーアらしいショウだと好評。

サンフランシスコ教会近くにあるレストラン「コリゼウ」でも、同じようなショウが毎晩あるようです。(未体験)
(詳しくは音楽・showいつ、どこで楽しめるのか…をご覧ください。)

髪の毛を編む(Trança、トランサ)

せっかくバイーアに来たのだから、アフロ・ブラジリアン風の編み込みヘアに挑戦したいわ!という人は、ジェズス広場にたくさんいる編み込みスタンドのお姉さんにお願いしましょう。お願いしなくても積極的に彼女たちから声をかけられるので、逆に断るのが大変かも?

もしやってみたいなら、そこでお願いしてみましょう。編み込みのことは「トランサ」と言います。過去のスタイル例の写真がある店が多いので、それらを見てスタイルを決めます。と言ってもあまりバリエーションが多いわけでもなく、日本人に似合うスタイルも限られているような気がするので、そんなに迷うこともありません。ちなみに私は、前だけを編んで後ろはまっすぐなまま残す「カチューシャスタイル」が好き。視界が開けてスッキリ爽快ですよ。全体を編んでもらったこともあるけど、この場合、髪の毛を「買って」足して編まないと、なんだか後ろが淋しくなっちゃってヘンでした。初心者の方には、一本だけ細く三つ編みを入れてカラフルな糸をからめてもらう方法(Tereré、テレレーと言います)も可愛くてオススメ。(って、これら全部、女性向きの話。ですが、男性ももちろんいろんなアフロスタイルに挑戦できますよ。編み込みの姉さんいわく、どんなに髪が短い男性でも出来るわよ!ですって…)

なお料金は年々値上げされてる?!2年前は15レアルでやってもらったのに、最近は同じスタイルが40レアルとか平気で言われます。値切って30くらいでやってもらうけど、ずいぶん高くなったよね…。

石畳の歩道に座って、ぼーっと街ゆく人々を眺める

これこそ、一番ペロウリーニョらしい過ごし方かもしれません…。
だって、実際、そんなふうにのんびり過ごす地元住民がたーくさんいるのがペロウリーニョなんです。歩道に座ってたり、建物の窓から頬杖ついて外を眺めてたり…。目にも楽しいキャラの人々(不思議な服装のおじさんとか、可愛い地元の子どもたちとか、世界各地からの観光客とか)が結構多いので、ひたすらマンウォッチングというのもおもしろいものです。

忙しい旅の最中に、そんな時間を設けてみるのもいいかも。
500年近く、同じような街の姿を続け、今も生きている街…そんな旧市街を心底実感できることでしょう。

★☆★ペロウリーニョで気をつけたいこと(しつこい物売り対策)

フランスやドイツからの団体旅行グループや、豪華クルーズ船で寄港中の世界各国からの観光客などなど、実に多くの「外国人」が訪れるペロウリーニョ。サルバドールにとって大切な「お客様」に何かあっては大変、と、ここ数年、街を見張っている警官の数はぐっと増えました。ペロウリーニョは危ない…と、ほんの数年前までは地元の人にも恐れられていたそうですが、今は、警備強化のおかげで、私たちが普通に散策している分にはほとんど怖いことなどないように思います。実際、街角のすみずみに2〜3人組の警官が立っているんですから。「だったら大丈夫だろう」という気持ちにもなります。

が、しかし、それでもなお「危ないこと」は起こっています

たとえば…

「朝早くペロウリーニョ広場に着いて宿を探して歩いていたら、カタコトの日本語で親しげに話してくる男がいて、道案内をしてやると言ってきた。親切そうだったから着いて行ったら、知らない家に連れて行かれ、金品を盗まれた…」とか。

「カラフルなテープ(フィッタと言います)をタダでプレゼントすると言われてもらったら、ペンダントを売りつけられ、しつこくガイドをすると言われた。少しガイドをお願いしたら法外なガイド料を請求された。」とか。

「物売りにマコーニャ(マリファナのこと)をすすめられた」とか…。
これら、実際に体験した「日本人」の方々から、私が直接聞いた実話です。私自身は幸いにして、このようなことは未体験なんですけどね、今のところ。(観光客っぽくないのかしら)

警察が街角に立っていると言っても、たとえば早朝や深夜は勤務時間外。だから、警官がいない時間帯のペロウリーニョは、やっぱり危ないんです。

物売りは、ペロウリーニョに来る誰もが避けて通れないもの。いわば通過儀礼ですわね。

基本的に、ペンダントを買う気がなければ、たとえフィッタをタダであげると言われても
笑顔でお断りすること。無視するのは良くないので、身ぶりと表情、それに「ノン・オブリガード」の一言を添えてお断り。たまにしつこい人がいるけど、断り続ければ大丈夫。観光客は他にも山ほどいるので、次のターゲットへと移ります。ペンダントは値引き交渉で安くしてくれたりするので、買いたい人は話を聞いてみてもいいかも。よくある「木の実のペンダント(長くないもの)」で、1つ5レアルといったところでしょうか。最初は15とかふっかけてくるけど、5レアルくらいまでは簡単に下がります。言い値では買わないでね〜。

日本人の感覚として、「断り続ける」ことに罪悪感を感じることがあるかも知れないけど、ペロウリーニョでは断りは基本ですから。物売りも断られることには慣れてますから、平気で断りましょう。

そして時々ガイドを申し出たり、ドラッグをすすめてきたりする人も中にはいるそうなので、そんなときもキッパリと「ノン!」と断りましょう。もしガイドが必要なら、首からガイド免許証をぶらさげている正規のガイドに、事前に値段交渉をしたうえでお願いしましょう。ペロウリーニョのあちこちにいます。ガイド料の相場は未調査。そのうち調査して掲載します。(たぶん半日で30レアルくらいかなぁ?)


物売り以外にも、人の良さそうな兄さんが近づいてきて商品を勧めたり、案内すると言ってヘンな場所に連れて行ったり、ビールおごるよと言って眠り薬入りのビールを飲ませたりするブラジル人が実際にいますので、そのへんもよく注意して。断ることに躊躇しないで下さい。ノリがいいだけに、ついつい、信用してしまいそうになるけどね…そして中には、本当にいい人だってたくさんいるんだけどねぇ。見極めが難しいところ。

★☆★クレジットカードを使った現金キャッシングにはくれぐれもご注意を!!!

今年(2009年)のカルナヴァル頃に実際にあった案件。

とある日本からの観光客が、クレジットカードを使ってペロウリーニョのとあるレストランの敷地内にある「24時間ATM」にて現金をキャッシングしました。

その後、帰国してカード明細を確認すると…自分が引き出した現金以外に、3回も不正な引出しがあったと判明。そのうち1回は、本人すでに帰国後の引出し…。

カード情報が、なんらかの形で読み取られていたんですね。いわゆるスキミングですね。

この場合、不正な引出は、1回50レアル程度(約2500円)だったとのこと。あまりに高額な引出だと逆に怪しまれるから、気づかれない程度の少額をあえて引き出したんでしょう。

スキミングの被害は、特に、ペロウリーニョのオープンスペースに立っている、「24時間」のATMに多いと聞きます。

しかしこういったところは、警備員が常駐している「銀行支店内のATM」と比べると非常に警備が甘いため、泥棒が仕掛けやすいんですね。

24時間ATMは確かに便利なのですが、実際、こういった事案が少なくないのがペロウリーニョです。完全に、ここを訪れる外国人の「クレジットカードによる現金引き出し」がターゲットにされていると思われます。どこかの宿に、「危険だからペロウリーニョではキャッシングを控えるように」と張り紙がしてあったのを見た覚えもあります。

この被害に遭わないためには、「銀行支店内にあるATM」を使ってキャッシングすることです。しかも、銀行営業時間内、つまり午前10時から午後4時の、利用客の多い時間帯が望ましいのです。ペロウリーニョであれば、ラセルダエレベータ付近に、赤いロゴが目印の「Bradesco(ブラデスコ)」の支店があります。この中のATMであれば比較的大丈夫かと…。と言いつつ、私自身は「銀行のキャッシュカード」を使って口座からお金を下ろした経験しかないので、クレジットカードによるキャッシングの場合に被害があるかどうかは未体験なのですが…。

少なくとも、街角の24時間ATMよりは安全かと言えると思います。

もしくは、ペロウリーニョではない場所、たとえばShopping Barraなどの大型ショッピングモール内に併設されている銀行の支店内ATMなども比較的安全だと思われます。