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Carnaval em Recife,Olinda
【2010年2月の旅レポート】
レシフェのカルナヴァル


オリンダのカルナヴァル
★1日目

カルナヴァル期間中の土日にレシフェに行って来ました。
リオ、サルヴァドールと並ぶ「ブラジルの3大カルナヴァル」と呼ばれるレシフェがどんなものなのか、一度は見ておかないと!ということで。


サルヴァドール・レシフェ間は直行便で約1時間15分ほど。
土曜日の正午すぎに出発して、ホテルにはちょうどチェックイン時間頃(2時)に到着しました。

レシフェ空港ではこんな姿の出迎えが…

ホテルに行く前に、まずは空港内の観光案内所でカルナヴァル開催場所などについて質問。そしたら、なかなかしっかりした対応のお姉さんたちで感心感心。わかりやすいカルナヴァルマップをいただき、バスの時間帯や乗り場などを確認し、なんとなくイメージをつかみました。同じ場所で無料で配布していた「健康で清潔なカルナヴァルを!」と記されたキャップとバンダナを家族人数分いただいちゃったりして、気分はだんだん高まります。


さて、ホテルはやはりこの時期「pacote(パコッチ)」販売、つまり最低4連泊以上…といったような条件付きが多く、私たちのように1泊のみの場合は宿探しがなかなか難しいのです。
が、2ヶ月ほど前からネットの格安ホテルサイトを探していたら、1軒だけ1泊でも通常価格でOKのホテルがありましてね。チェーンホテルの「Mercure Navegantes(メルクリ・ナヴェガンチス)」。長期滞在型のミニキッチン付き、場所も悪くないし、ホテルの質もまずまずで満足できました。


さてチェックインしてカーニヴァル用の服装(と言っても普通のショートパンツにノースリーブ、スニーカー、小銭をポケットと靴の中に…といったようなこと)に着替え、早速カルナヴァル会場に繰り出してみました。ホテルのすぐ近くにバス通りがあったので、そこからバスに乗って…。


この日、土曜日は、朝というか未明から「Galo da Madurugada(ガロ・ダ・マドゥルガーダ):真夜中のニワトリ、の意味」の一大パレードが繰り広げられているとのこと。レシフェのカルナヴァルの一番の目玉イベントであります。
しかしホテルの人も観光局の人も、「子ども連れでは危ない」と。とにかく、ものすごい人出なんだそうで。確かに写真で見てもこの人出はただものじゃない。派手な巨大ニワトリオブジェ(巨大みこし状態)の周囲を、おびただしい人が取り囲んでいるよ。


で、その会場付近でバスが止まったわけだけど、すでにものすごい人。大半は、朝から踊りまくって疲れて帰る人と言う感じ。一応、ガロ・ダ・マドゥルガーダは夕方で終わるというスケジュールになっていましたから、ほとんどもう終盤。


確かにメインストリートはすごい状態で、とてもじゃないけど子連れでは入っていかれません。なので、支線から垣間見る感じで。どうやら、サルヴァドールのトリオ・エレトリコ(スピーカー搭載の巨大トレーラーステージ)のようなトラックがパレードし、その後ろを群衆が踊り歩いているようでした。



ただサルヴァドールと違うのは、トリオごとに存在する「アバダー(指定Tシャツ、有料)」があまり見られないこと。と言うことは、誰でも無料で群衆の中に入り込み、楽しめるということなのですね。
群衆の中の一人が言っていました。
「ここのカルナヴァルは最高さ。みんな平等。金持ちも貧乏人も平等!お金なんてかけなくても楽しめるんだ」


確かにその通り。
ですが、それというのは、裏を返せば結構危ないってことでもあります。
貧しいスリがどこにでも入って行ける、ということで…
サルヴァドールのカルナヴァルでは、それこそ1万円も払ってアバダーを買い、群衆の中に入っていくけれど、それはある意味「安心料」みたいなものでもあり。
1万円払えない人はその中にはいないわけであって。
もちろん1万円払える人の中にもスリはいるけれど、それに出会う確率は「みんな平等」のエリアよりもぐっと低いわけで。


だからレシフェのカルナヴァル会場付近は、なんとなく危険な香りがそこここに漂っていて、歩く時もサルヴァドール以上に緊張感を持っていましたよ。子連れだったこともあるし、自分のホームグラウンドではないということもあり、結構周りに気を使って歩いたから、正直、疲れましたねぇ。


さてレシフェでは、カルナヴァル会場のことを「Polo(ポロ)」と呼び、旧市街近辺に5〜6ヶ所のPoloが設置されます。それぞれに大小さまざまのステージがあり、次々にグループやアーチストが登場して、そこで歌や踊りを披露するのです。ステージに向かうまでの道をパレードしながら歩いて来るので、それを見るのも楽しい。



それぞれのポロには特徴があります。カルリーニョス・ブラウンら、国内有すの大物アーティストが夜遅くにショウをする「Polo Multicultural(ポロ・ムルチクルトゥラウ)。ここはすごく広くて、人混みもすごいようですよ。私たちは子連れのため行っていませんが、メインステージ的な扱いのようですね。

ポロの入り口には大きなゲートが
私たちが訪れたのは2ヵ所。
初日にまず行ってみたのが、観光局に「子連れなら」とお勧めされた「Polo Fantastico(ポロ・ファンタスチコ)」。ここは子どもたちの団体がステージに登場し、可愛い踊りを見せてくれるところでした。踊りは決まってFrevo(フレーヴォ)」。手にカラフルな小さい傘を持って、アクロバチックに足を上げ腰を下げ激しく踊る、レシフェ独特のダンスですね。
小さいうちから訓練しているのね、子どもといえどもかなり上手なグループもありますよ。


でも半分くらいは「お遊戯会」的なものだったような…。学校ごと?幼稚園ごと?いろいろあるんだろうけど、親御さんたちが張り切ってステージ前で写真やビデオ撮影し、我が子が終わったら帰る…みたいなノリの会場でした。だから全般的にほのぼのと、のんびりとした雰囲気で、危険な香りはほぼゼロ。確かに子連れには最適かも、でもちょっと物足りないかも?


翌日訪れたのは、「Polo Tradicional(ポロ・トラディシオナウ)」。トラディショナル=伝統的の名が示す通り、おそらく、昔ながらのカルナヴァル風景が楽しめる会場なのでしょう。


ここもとても小さい広場、でも周囲を歴史的な建物で囲まれて、いるだけで昔のヨーロッパにタイムスリップしているような錯覚に。
その雰囲気をすっかり気に入った私たちですが、ここでは、広場を取り囲むようにプラスチックのテーブルとイスが並んでいて、ビールを飲みながら広場を眺めることが出来るんですよ。ますます素晴らしい!(しかもドリンクもフードも激安)



次々にやってくるグループも、どれもこれも素敵で。
おそらく、地域ごとに結成されているグループなんだろうけど、それぞれに歴史ある重厚な旗を持ち、小学生くらいの子からおじいさんまで、幅広い年齢層で構成されているのがいいのよね。



音楽はやはりフレーヴォ、そして踊りも基本的には傘を持って踊るフレーヴォなんだけど、メインダンサーズを取り巻く周囲のメンバーは、各グループごとにテーマに沿った仮装をして、ゆるい感じで踊っているの。



テーマはたとえば「サッカーワールドカップがもうすぐブラジルで開催されるよ」と言うものだったり。(サッカーボールや、ブラジルカラーの黄色と緑を基調とした衣装ね)






ディズニーの古い名作で、ブラジルをテーマにした作品(日本名では「3人の騎士」、ポル語ではVoce ja foi la Bahia?)のキャラクターをモチーフにしていたり。(カルメン・ミランダの妹がこの作品に登場するんだけど、彼女の写真とか、映画に登場するオウムのキャラクターを身にまとって)



どのグループにも必ずいるのが、中世ヨーロッパを彷彿とさせるヘアスタイルの(モーツアルト風と言うのか?)おじさんとか、ドレスのおばあさん。たとえばリオのカーニバルに必ずいるバイアーナ軍団のように、レシフェの伝統チームには欠かせない存在なんでしょうね。本当に、周囲の建物と相まって、ムード満点でした。


この会場は参加型ではなく、完全に鑑賞型のカルナヴァルだったけど(幕間に客席から子どもたちを集めてフレーヴォを教えたりするシーンはあったけどね)、かなり楽しめましたよ。かつてオランダの支配下にあり、ヨーロッパ的文化を残す街レシフェ…というものを体感出来たと言うか。リオやサルヴァドールとは全然違うカルナヴァルが、ここにはありました。


2日目 オリンダのカルナヴァル へ