１．気候

２．お金のこと

３．治安
≪具体的に「治安が悪い」ってどういうこと？≫
まずはこちら、外務省の「海外安全情報」を見ていただくと、治安の概要がわかるかと思いますが…
私もいま見てビックリ。ブラジルって、「十分注意してください。」レベルの治安の悪さなのですね。

住んでみて思うことは、そりゃあ世界中どこと比べても日本は安全だし、そんな日本から来てみると、ブラジルはとっても治安が悪いです。
具体的にどう悪いかというと、
・拳銃が広く普及していて、拳銃で脅す強盗が非常に多い
・貧しい人が多い国なので、生きるために悪事を働かざるを得ない人がとても多い
・麻薬が広く普及していて、麻薬資金欲しさに悪事を働く人が多い
・失業率がすごく高いので、泥棒でもしないと生きて行けない人が多い
・どこにでも物乞いがいて、しかも女・子供だったりする

…と、まぁ、貧困から来る犯罪が多数を占めていると思います。
このあたり、日本のような「精神的に問題があって殺人をはたらいてしまう」という犯罪とは、徹底的に違うところです。（ドラッグ服用のために正しい判断が出来ない人が起こしてしまう犯罪は存在するでしょうが。）基本的には、貧しいから金目当てで襲う、それだけです。なので、滅多なことがない限り、行きずりの観光客を殺すようなことまではしません。抵抗し、相手を逆上させると危険なので、襲われたらおとなしく金品を渡すこと、です。

・サルバドールでは、中流以上の家庭は、門番がいて電子錠がついているマンションやコンドミニオ（住民しか入れない限定されたエリアに、多くの住宅やマンションが密集しているもの）に住んでいます。なので、住まいの中で襲われるという確率はあまり高くありません。
サンパウロでは時々、マンション強盗が発生し、門番をやっつけて中に突入した犯人グループが各戸すべてを襲う…というニュースを聞きますが、それほど多い事件ではありません。

もちろん、中流以上のホテルやレストランなどにもきちんとガードマンがいますから、いかにも怪しい人間はシャットアウトされます。大型ショッピングモールなどもそうです。そういった「守られた環境」の中では、ほとんど周りに神経を使わずに過ごせます。

気をつけるべきは、道路です。道路を歩いているときは、常に周りに気をつけなければなりません。信号待ちで立っている時も、ぼーっとしてはいけません。おしゃべりしながらゆーっくり歩くのもダメです。泥棒は誰でも狙う訳ではありません。見るからに隙のありそうな人を狙ってきます。事実、姉妹でも、お姉ちゃんは何度も強盗に遭うのに妹は一度もない…ということもあります。妹いわく、「お姉ちゃんはぼーっとしてるから」とのこと（笑）

ただでさえ、この街で東洋人はとても目立つので、せめて身なりをなるべく現地人に近づけることです。サングラスをかけて顔を隠すのは有効です。こちらも黒髪の人が多いので、後ろから見ると東洋人かどうかわからないことも多いです。立派なアクセサリーやバッグを持たず、なるべく貧乏そうな持ち物で行動しましょう。

あ、もちろん、行きも帰りもタクシーや車というように、「道路を歩かない」日は思いきりおしゃれしてOK！
（ちなみに、ブラジルのお金持ちは、常に自家用車で移動しているので、道路を歩くことなどほとんど皆無と思われます。本当にリッチな層の人を路上で見かけることがないものなぁ。）

また、当然のことですが、歩く時はなるべく大通りで、明るくて、人通りの多い道を選んで下さい。１本横道にそれただけで、グッと怪しさが増すところも少なくありません。路線バスが頻繁に通り、バス停に人がたくさんいるような道路は、比較的大丈夫のように思います。（それでも早朝や夜は巡回の警察官もいなくなるので、大通りと言っても危険です。夜の移動はタクシーのほうがベターです。）

≪物乞いにせがまれたら≫
サルバドールには、至るところに物乞いが存在します。
地面に座りながらオムツ一枚の赤ん坊に授乳しつつ、手を差し出してくるお母さん。
交差点で停車中の車に対し、窓ガラスを拭くサービスをし、そのサービス料として小銭を請求する少年。
ペロウリーニョでは、観光客のもとにスタスタと近寄ってきて、堂々と「モエーダ！ウンヘアウ！」（小銭、１レアル！）と請求する子どもも多いです。「おなかがすいた」とか「のどがかわいた」と、お金が欲しい理由を述べる子もいます。

もう、あまりに頻繁に登場するので、私なんかはもう慣れちゃったと言うか…いちいちまともに対応しきれないと言うか…。

物乞いに対してどういう態度でのぞむべきか。
これはその人の考え方によって違ってくると思いますが、私は、お金は絶対に渡しません。
その時、食べ物を持っていたら、それを渡す。水を持っていたら、水を差しだす。何もなかったら、「ごめんね、お金持ってないから」とはっきり断ります。

断ったからと言って、しつこく迫って来る事もめったにありません。たまにしつこい子もいるけど、ダメならダメ、はい次のお客さん！って感じで、素直にお金を出してくれる人に出会うまで繰り返すという感じですかね。

なぜお金を渡さないか、と言うと。
ひとつには、「一人に渡したらきりがないから」。
「働かないでお金を得ようなんていう甘い考えが嫌いだから」。
「子どもに渡したお金は、決して子供が使うわけではなく、裏で大人が（働かない親が）コントロールしている（らしい）から」。
その多くは、麻薬などに消えていくお金と言われています。

中には本当に本当に困っている人も少なくないと思います。
でも、働ける体力がありながら、仕事を探そうともしないで物乞い生活で甘んじている人がいることも事実…らしく。
そんな人たちの手助けをしてはならないと思うんです。

とは言え、小さい子供を何人も周囲に置いて、座りこんで、やせこけたお母さんを見ると…いろいろ想像して胸が痛みますけどね。
難しい問題です。

≪本当に危ない地域は、普通、観光客は行きませんから≫

住んでいると、地元の人からいろんな地域情報を耳にします。
あそこは危ない、昨夜も銃撃戦があって知り合いの息子さんが人違いで撃たれた、麻薬組織の大きいのがある…などなど。
で、そういう「危ない地域」というところは、基本的に「とても貧しい人たち」が住んでいる地区であり、いわゆるファベーラ（この言葉の定義もよくわからないのですが：ブラジル人によっても定義はまちまちで）…手作りの今にも壊れそうな小屋のような家が立ち並ぶエリアだったりします。
たとえば名前を挙げると、NordesteとかBoca do RioとかPernambuéとか、ちょっと離れた郊外とか…　まぁいろいろありますが、そのあたりは普通の観光客は行きません。そのあたりには観光スポットもレストランもありません。
ときどき、カポエイラやパーカッションの名手が住む家があったりするようですが、たとえばそのような場合はブラジル人の地元の人と一緒にいくわけであって、普通の観光客が行くのとはわけが違います。

この街の殺人事件の多くは、そういった貧しい地域で起きているようです。
些細なケンカ、男女間のもつれ、権力闘争。そこにピストルが入り、ピストルを持った警官と争いになり、警官が犯人と間違えて別人を撃ってしまうとか…。
あまりに件数が多いので、いちいちメディアに取り上げられないし、そういった地域から離れた住宅街に住んでいると、「どこでそんなに事件があるの？！」と平和ボケみたいなことを言っちゃうようになるんです。

そのくらい、地域間格差が激しいのがブラジル。

普通に観光している限りは、そういうエリアを、せいぜい車の窓から眺めて通り過ぎるくらいしか関わることはないのですがね。でも、現実に「シティ・オブ・ゴッド」の映画みたいなことが今日もこの街のどこかで起きている…ということは、知っておいてもいいかと思います。
そして、興味本位で、そういうエリアに立ち入るのは絶対にやめましょう。危なすぎます。

≪犯罪より怖い、交通戦争≫

想像以上にクルマ社会のブラジルです。特に大都市は年々車の台数も増え（最近は世界的不況で車の販売台数は頭打ちですが）、ここサルバドールでも朝夕の渋滞には悩まされています。
車が増えると、交通事故はどうしても増えます。

さらに悪いことに。

ブラジルのドライバーは、運転が荒いです。
方向指示器なんていちいち出しません。出しても左右間違って出したりします。
路上駐車の嵐です。
道路は思ったより狭いです。
飲酒運転の取り締まりが厳しくなったとはいえ、規制開始当初より、最近はずっと緩くなっています。
スピードがすごいです。制限速度が６０キロを超える公道がザラです。
高速道路になるともうすごいスピードです。
厳しい車検制度のようなものがありません。よって、故障車や事故車が普通に堂々と走ってます。いつ壊れるかわからないような車が、です。

このような状態ですから、交通事故の発生件数は、日本の大都市よりずっと多いと思います。

しかも、歩行者優先の考えが、こちらのドライバーにはありません。
人が横断しようとしていても、平気でハイスピードで突っ込んできたりします。
信号が青でも油断できません。赤でも入って来る車はいっぱいいます。

タクシーやバスに乗っていても、ドライバーの激しい車線変更のやり方にドキドキすることでしょう。
日本よりずいぶん荒っぽいですから。
でも、車の運転はリズムと言うか、流れと言うか…。全体がそのように荒っぽく流れる中、自分だけゆったりしていると余計に危ないということもあり…。
私は運転しないのでその辺りの感覚を実感してないのですが、運転する人は、とても大変なようです。毎日が命がけ。

おお、怖い…。

避けようもない「もらい事故」で、私の大切な友人（日本からの駐在員）が２人もこのブラジルで犠牲になっています。
気を付けていても仕方ない時もありますが、できるだけ、注意出来るところは注意して行動しましょう…。

≪宗教争いがない国、ブラジル≫
ブラジル人と治安の話をしていると、「そりゃ危険は多いけど、ブラジルにはテロがないからね」「宗教間の争いがないからね」と言います。確かに、世界中にはそういった関連のテロで罪のない人々が犠牲になっています。そういえばブラジルは、そういう関連の事件は聞きませんね。

４．交通