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Campo Grande-Bonito
【2009年10月中旬の旅レポート】
1日目 長い移動と、代理店での交渉
2日目 ゴムボートでフォルモーゾ川下り、青の洞窟湖へ
3日目 ボイア・クロス(浮き輪で川下り)と、スクリ川シュノーケリング
4日目 世にも美しい「天然水族館(アクアリオ・ナトゥラウ)」
カンポ・グランジ、ボニートのレストランと宿

ボニート4日目。ダンナはこの日の朝のバスでカンポ・グランジに戻ります。そして飛行機を乗り継いで、サルバドールにはほとんど深夜に到着すると言う…なんてブラジルは広いのでしょう…。


私たちは翌日まで学校が休みなので、もう一日、ボニートで遊んでいきます。
朝7時半に宿に送迎タクシーが来て、この日はAquario Natural(アクアリオ・ナトゥラウ)その名も「天然水族館」に向かう…はずでした。
朝7時半の予約。な・の・に、8時になっても来ない!
私たちのツアー開始は、現地8:15スタートなのに!

ここでも実はひと悶着あったんですよ。
ツアーの申し込みは1日目にしていたんだけど、2日目にバウチャーを取りに代理店に行ったら(バウチャー、初日にまとめて3日分くれればいいのに、ツアーの前日夕方に発行することになっているとやらで、都合、毎日代理店に足を運ばなければならない。面倒すぎる。)、お願いしていた開始時間と違っているの。
この日の午後2時半のバスでボニートを出るから、正午には宿に戻りたい。ゆえに、一番早いツアー開始時間にしてくれ、と言って了承を得ていたのに、バウチャーに印字されていたのは10:00の文字…。
10時スタートで12時に宿戻りなんて不可能でしょ!!!
…と訴え、時間を予約通りに戻してもらうよう頼むも、「その時間はもう満員だ」とか言い出す始末。
だって、私の予約した時間、10時じゃないでしょ!バスが2時半に出るんだよ!10時だと参加できないからキャンセルするしかないのよ!!と再三訴えたら…
予定通り、8:15スタートのツアーに入れてもらえたのであります。
一体、どういうやりとりで、こういう結果になるのか。全く不可解…。もう、この代理店に対する信頼感、ゼロであります。


そして当日、迎えの車は30分過ぎても来ないし。
結局、予約の時間変更が出来てないんじゃないの?やっぱり10時に迎えが来ちゃうんじゃないの?
…と、かなり焦ります。
宿の兄さんに、代理店に電話して確認してもらったら「すぐ来ます」とのこと。確かに、電話の5分後には、迎えの車が到着しました。って、全くもってどういうシステムになってるのよっ!!!


とりあえず乗り込んで、一応文句を言うと、「ここから15分だから、大丈夫だ」と。やっぱり、何があっても誤らないブラジル人気質、ここにも健在であります。この時すでに8時過ぎてたから、どう頑張っても8:15のツアー開始までには到着出来ないんですけど。
もう、起こる気も失せ、とにかく車に乗るしかない私たち…。


この日、実は、信じられないほどの冷え込みで。
前日のかんかん照りが信じられないほど、突然、寒くなってしまったんです。夜中に雨が降って、それで気温が下がったようで、朝から厚手のトレーナーを着こむほどの状態。
こんな日に、水の中でシュノーケルなんて、果たして可能なのでしょうか、私たち…。



天然水族館に着いたら、ぽつぽつとお客さんが来ていたけど、すでに8:15の回は出発していたようで。私たちは次の8:30に入れてもらうことになりました。

ここでは、2日目のスクリ川と同様、ライフジャケットとネオプレーンゴム製のダイビング用ウエットスーツ、それにシュノーケルセットを借りて、川を泳ぐのです。
貸出カウンターでは、おじさん二人がお客さんを待ちかまえていて、体型を一目見てはピッタリサイズのスーツを渡してくれるのであります。長男のサイズは見誤っていたけどね…一つ小さいサイズをあてがわれて、丈が足りなかったのであります。

雨はなんとか降りとどまっているものの、やはり、寒いことには変わりなし。それでもどうやら、川下り、敢行されるらしい…
同じグループのメンバーに続き、プールサイドにまずは向かいます。
まずは、小さいプールで、シュノーケルの使い方や泳ぎ方の練習をするのです。これ、昨日のスクリ川にはなかったなぁ。ここでは全グループが練習を義務付けられているようで。

私たちのグループ、これはまさしく練習が必要でしょう!というメンバーでした。サンパウロ方面からお越しの、もうすぐ80歳に手が届く、見事なまでの白髪のおじいさん・おばあさん軍団と、その孫(小学校高学年程度)たち…という素晴らしいメンバー。
みなさんの練習に向かう表情と言ったら、まさに真剣そのものでした。そこに加わる子連れ日本人母子の私たち…絶妙なグループ構成でしょう(笑)
ここで次男も喜んで練習をこなし、昨日に増してやる気満々です。


しばし練習した後、てくてくと山道を歩いてシュノーケルスポットへ向かいます。スクリ川では、まずトラックの荷台に乗って車で移動したけど、ここでは車は使わず、徒歩15分ほどで川に着くのです。
途中、ものすごくキレイな泉があり、思わずのけぞっていたら、なななんと、ここに入ってしまうと!
ここが、水の湧きいずるスポットだそう…この透明度はもう何と言ってよいか…

川ではなく、流れのない「泉」状態。ですから全然怖くはないのですが、おばあさまたち、そりゃあ初心者ですから、おいそれとは水に入れません。ガイドさんとマンツーマン状態で、一人ずつ手をつないでもらいながら、交代で水中観察です。
慣れた人はご自由にどうぞ、ということだったので、私と子どもたちはずんずんと入っていきます…

水はやっぱり冷たい!
けど、この透明感!!!
感動的…

透明度30メートルどころじゃ効かないのでは?と思えるほど、どこまでもクリアで美しい水に、言葉も忘れてうっとり…
と言うか、水中なので、そもそも言葉はないのですが(笑)

少し泉の中央まで進むと、まさにそこから水が湧いていると言う場所を発見。ぼこぼこぼこっと、川底から白い土を巻き上げながら、生まれたての水がどんどん湧いていました。
写真ではよくわからないのですが一応撮影。

そしてここは、大小さまざま、色もさまざまな多種多様の魚が一度に見られるからとても楽しいんです。昨日のスクリ川では、せいぜい3種類程度の大型の魚がうようよいたけど、ここは、大型魚の下に小さな赤い金魚…のような感じで同居しているの。
水草の緑も美しくて、天然水族館とは良く言ったもの。熱帯魚売り場でセットで買ってあつらえたかのような、美しい水草と魚たちのハーモニーが、正真正銘の天然なんですから…。


泉での魚観察をしばし楽しみ、次はいよいよ川下りです。
が、この時点ですでに脱落者多数。次男も脱落。あまりの寒さに、もう体がガタガタで耐えられません。
おばあさま軍団も全員脱落。そう、あまりにこの日は寒すぎました。

それでも、孫二人、そして私と長男は、この先も続行することに。もし途中で無理だと思ったら、サポートの船に乗ればいい…ということなので、安心して挑戦できるというわけです。
かくして、ガイドさんとたった4人のメンバーだけが、川下りに進みました。後に続くサポート船の乗組員の方がずっと多いなんてこと、そうめったにないでしょうなぁ…と思いつつ。

さて、ここの川。はっきり言って、昨日のスクリ川よりすごいです。透明度も、水草の感じも、魚の種類の多さも、魚の数も!
川自体はとても狭く、人間は縦一列になって進まなければならないほどなんだけれど、だからこそ水族館的な雰囲気が増すと言いますか…。魚との距離もぐっと近く感じます。
両脇を水草のジャングルに囲まれながら、すぅーっと泳いでいく感じは独特で、まさに魚気分満点。

昨日と言い今日と言い、どうしてボニートの川はこんなにも透明なんでしょう。
ガイドさんの説明によると、川底を形成する成分、白い土のようなものは、炭酸カルシウムを多く含むそうで、もともとは貝がらだったとか。炭酸カルシウムはチョークの成分、ということで、チョークストリームと呼ばれるようですね、このタイプの川底を持つ川は。確かに真っ白で、成分は水に溶けないんだそうです。だけど軽くてすぐにふわっと水底から浮かんでくるから、シュノーケル中のバタ足は厳禁です。だれかのバタ足の後ろにいたら、瞬時に水が濁ってしまうから…。これは何度も注意されます、本当に。

それにしてもなんと水が冷たいことよ!
おそらく、水温18度〜20度といったところでしょう。さすがの私も、カメラを持つ手がだんだんしびれてきます…。
長男は、川の途中でリタイアし、サポート船に。私と孫二人は最後までなんとか行きました。
寒さに負けそうになったけど、それよりも、この川の美しさをいつまでも見ていたいと言う気持ちの方が強かったから。でも、水から上がった途端、ぶるぶる来ちゃいました。


帰り道はまた全員で山道を歩いて。
途中に、なんと、チロレーザがありました。チロレーザとは、高所からターザンのようにロープにつながって飛び、川のど真ん中で手を離して飛び込むという遊び。見るからに怖そうなんですが、これ、結構楽しいの。
我が家は、シャパーダ・ジアマンチーナの旅で経験済みなので、子どもたちも率先して喜んで参加!
勇気あるおばあさまも、メガネをはずしての参加!


…せっかく体が乾いて寒さが消えたと言うのに、また冷たい川の中に飛び込んで、寒さ復活…とほほ…
それでも子どもたちは、次男までもが、2回、3回と飛び込みました。次男はさすがに一人じゃ無理なので、ガイドさんの体にしがみついての飛び込み。よくやるなぁ、と思いますけど、楽しいらしいですねぇ。


そこからさらに歩くと、プチ動物牧場のようなところがあり、ワニやら野豚やらクチーア(がおりました。帰り道も飽きさせない工夫、なかなかよく出来た施設です。それなりに歩くけど、子どもたちも文句言わず元気に歩きます。ありがたや…。


出発地点に戻ると、時計はすでに正午を指していてビックリ!こんなに時間がかかるとは思いませんでした。10時スタートなんかになってたら大変なことになってましたなぁ。
そこでランチを取ることも出来たけど(別料金)、運転手さんいわく時間がかかるよ、と。急いでいるなら町まで戻ってポルキロの方がいいよ、と言うことだったのでそれに従い、ポルキロへ。
何度も利用したソフトクリームスタンドのすぐ裏にある、割と大きなポルキロでしたけど、料理は結構豊富で、味もまずまずでしたよ。

ありがたいことに、ランチ中も運転手さんはずっと待っていてくれて、しっかり宿まで送ってくれました。ここで下されちゃうと思ったわよ。

宿に着いて、宿台の精算(1泊分だけ前金で銀行振り込みしておいたので、2泊分を支払い)をし、荷物をまとめて徒歩2分のバスターミナルへ。どうやらバスは満席のようで、「3歳児はひざの上に!」なんて言われたけど、うち、3歳児の分も払ってますから!!と突っぱねましたよ、もちろん。
全席指定なんだから、オーバーブッキングまがいのことはやめてよねぇ〜、と言いたいわ…。

さてここからが長かった。はてしなく遠く感じました。
行きの直行マイクロバスとは違い、各駅停車的な大型バスだったのです。
乗って30分もしないうちに、いきなり別のターミナルに入り、バスの乗り換えが発生。またも満席。そして、次々に小さな町のターミナルに停車していくもんですから時間がかかってどうしようもないの。
さらには、道路の途中でいきなり止まると思ったら、警官がバスの中に入って来て検査。隣のバスを見ると、バスのお腹の荷物スペースに犬を入れてまで検査をしています…。連休だからかしら。それとも、麻薬運搬などがひんぱんに行われるルートなのかしら…。ちょっと物騒で嫌ですねぇ。

そして、いくつものターミナルで次々に乗降するもんだから、車掌さんによるチケット確認も頻繁に発生。おちおち寝てられないよ!って感じで、非常に疲れます…。


でも、途中、パンタナルらしい雄大な夕日のワンシーンを車窓から見ることが出来たりして、それなりに満足のバス旅。
そういえばこのあたりに小野田さんの牧場があるということを、カンポグランジに到着する直前に地球の歩き方を読んで知ると言う…。もっと早く知っていたら、目を凝らして探したのに。



バスがターミナルに入り込んだのは夜の8時半過ぎ。真っ暗。
前日に電話予約して置いた宿までタクシーで移動しました。それにしてもカンポ・グランジのタクシーは結構高い気がします。なんたって初乗りが4レアル超えてるんだから。ん、それともサルバドールが安すぎるのかな?初乗り3.45レアルなんですけど…

ホテルに着いて荷物を置いて、子どもたちもバスの中で熟睡したせいかまだ元気が余っているようだったので、遅めの夕食をとりに出かけることに。
ここでの狙いは「沖縄そば」。何と言っても、そばどんぶりのモニュメントが建っているほどの街ですからね。名物は食べておかないと!

ということで、ホテルのフロントで日本食レストランの情報を聞いてみると…どうやら、スシバー的な、おしゃれなモダン系ジャパニーズレストランを勧めてきている。そうじゃなくて沖縄ソバが食べたいんだけどなぁ、と言うと、沖縄ソバ祭りは曜日限定で、その日(月曜日)は開催されていないと。
仕方ない、ブラジルのガイドブックで見かけた、ソバを出すと言う店に行ってみることにしよう。


タクシーに再び乗り、結構走った感じ…。その店、Dona Maria は、中心部と言うより少し郊外らしいところに立っていました。ドナ・マリアって、どう見ても日本食レストランの名前じゃないけれど、メニューはコテコテの日本食!
写真入りで大変わかりやすくてよろしい!!


どうもヤキソバが一番人気らしく、割り箸の袋に印刷されたロゴとか、玄関マットのロゴには、Dona MariaではなくYakisobaの文字がありました。確かに、どのテーブルにも、山盛りのヤキソバが。
思わずその誘惑に負けそうになりますが、今日は沖縄ソバと決めてきたし!
子どもたちはなぜか寿司の盛り合わせを食べたいと言うし。よそのテーブルにそびえ立っている巨大串焼きも気になるし…
で、結局、それら全てをオーダーしました。

寿司のお味はなかなかのもの。さすが、日本人顔のスシメンが握っているだけありますな。ネタはサーモンとかマグロとか、それにパンタナウの川魚らしい白身魚もありましたが。
巨大串焼きはフィレ・ミニョンを頼んだんだけど、柔らかいお肉でとても美味しい。さすが、牧畜が盛んな州だけありますな。
そして子どもたちが頼んだフライドポテト、これが妙に美味しくてびっくり。北海道土産で大人気、売り切れ続出の「じゃがポックル」に少し食感が似ているような、味付けが似ているような…とにかく今までにない美味しさ。ビールが進みます。

そしてお待ちかねの沖縄ソバがこちら!

私のイメージするソーキソバとはだいぶ違っていたけど、麺もスープもとっても美味しいの!
どちらかと言うと、ソバと言うよりラーメン。なんだけど、こってりとコクのあるスープ、だしがよく出ていて深みがあって、うまい!チャーシューもうまい!
前日に食べたボニートの沖縄ソバは、正直、イマイチでがっかりしたんだけど、ここのは美味しいです。ほんと。
いわゆる沖縄ソバが、この土地で進化して、「カンポ・グランジの沖縄ソバ」という全く新しい味に生まれ変わった…という印象でした、私には。


全部美味しくて、大満足のレストラン。雰囲気も大衆食堂的でがさがさ・わいわいしていて楽しいし、この地に日系人が多く住むということを実感できる客層も素敵でした。そう、ここマット・グロッソ・ド・スウ州は、サンパウロ、パラナ州に続いて、日系人コミュニティの規模はブラジル第3位なんですって。

ちなみに、沖縄ソバを出すこの手のカジュアルレストランのことを、地元ではSobaria(ソバリア)と呼んでいるんですよ。初耳なネーミング。素敵すぎます、ソバリア♪

翌日の午後2時半の便でサンパウロ経由サルバドールへと戻って来たわけですが、午前中はタクシーを活用してカンポ・グランジの市内有名スポットを軽く巡りました。有名スポットと言っても特に何があるわけでもない街で、巨大なアララー(コンゴウインコ)のモニュメントのある広場とか、パンタナルの動物の像がたくさんある公園くらいしか…。それでもタクシー運転手さんは張り切って「ここはいい写真が撮れるよ!」なんて連れて行ってくれるから…。





本当は朝8時半発の2階建て市内観光バス(なんと一人10レアルという安さ!)に乗りたかったのだけれど、残念ながら満席でした。意外と人気があるのかカンポグランジ?!
実はこの日の翌日、この街に初めて「サッカー・ブラジル代表」が来てワールドカップ予選をするというビッグイベントが控えているのでした。それもあって、近隣からの観光客が多かったのかもしれませんね。

自然あり、沖縄ソバありの、かなり楽しめるマット・グロッソ・ド・スウ州。あと3日あれば、少し足を伸ばして、同じエリア内にある「南パンタナル」を巡ってみたかったなぁと思います。しかし、ボニートは遠い遠いと思っていたけれど、ダンナのように3日間あれば最低限の観光は可能なのだと言うこともわかりました。長い休みは取れないけど3連休は休める!という方なら、しっかり楽しめますよ。お試しあれ。

カンポ・グランジ、ボニートのレストランと宿 へ