Rota das Emoções |
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4日目 ジェリコアコアラからパルナイーバへ320kmドライブ、そしてデルタを巡るボートツアー 今回の旅行は完全に個人手配で、実はジェリコアコアラから先の交通手段を確保していませんでした。 ここから先はどうするか。 この付近の詳細について、日本語で書かれた旅行ガイドは皆無であります。ネットで調べた情報だけが頼り…。 ありがたいことに、一人旅でこの地域をめぐる日本人バックパッカーの方々の体験記などが複数見つかり、それらの情報をもとに、なんとなくなんとかなるだろうという思いを抱きつつ、まぁシーズンオフだし現地で手配すればいいかと思っておりました。 そして移動日前夜。ジェリ中心部でたまたまふらっと入った小さな旅行代理店で、明日以降の移動について相談したのでありました。 ここ、本当にたまたま入ったんですよ。夜7時近かったけどまだ明かりが付いていたから。実はもう閉店しようと思っていたところなんだけどね…と対応してくれたおじさんがものすっごくいい人で! まず、公共の乗り物がどんな感じか、何時間くらいかかるものなのか。明日一日でどこまでたどり着けるのか…などを質問してみました。 そしたら。 「いや〜公共の乗り物はものすごいよ。なんたって本数少ないからいつも混んでて座るところもないくらいだよ」 「小さい子どもはきついんじゃないかなぁ」 「時間も定かじゃないしね」 ・・・そそそうなんですか。そうなんですね。 でも安さでは何より公共交通にかなうものはないし。うーーーん。 と悶々としていたら、おじさん、キメの一言を投げかけてきた。 「それにね、saco de galinhaだとか、porquinhoだとかも一緒ですよ」 ええとそれは…つまり、にわとりの袋? 生きたニワトリを輸送するための袋ですって? そしてポルキーニョって子豚でしょ… これを聞いた長男は、「やだやだ絶対やだ、ニワトリやブタと一緒のバスなんてやだー」と大騒ぎ。ええ、私だって嫌ですわよ。だってかなり距離長いし。うーーーーん。だけどプライベートで車を貸し切ると目が飛び出るほど高いし… さらに悶々とする私たちを憐れんでか、おじさんは、なんとも素敵なプランを提案してくれた。なんと、彼の奥さんがパルナイーヴァの出身で、ちょうど数日中に里帰りする予定があるんだって。そのついでに私たちも乗せてくれるってことにして、驚くべき激安価格を提供してくれることになったのであります。安すぎるから口外無用、ナイショよ!と強く言われているのでここには書けないけど、いわゆる相場の半額以下かも…。 奥さんの実家のパルナイーヴァは、我々の目的地の半分くらいの位置にあるのですが、なんと彼はその先のあと半分も激安価格で我々に付き合ってくれると言うのです。なんて優しいの!なんて太っ腹なの! 彼曰く、「この店は僕と妻と二人でやってるから、里帰りのためには2〜3日店を閉めなければならなかったからね。だからお客さんが入って僕たちも助かるんだよ」と。いやそれにしても移動距離とガソリン代と労賃を考えたら、ほとんど儲けが出なさそうな旅ですけどいいんですかね?? やや申し訳なく思いつつも、笑顔で快諾してくれる彼に、思い切って甘えてみることにしました。そしていよいよ、大移動初日がスタートです。(ああ長い前置きですみません。言いたいのは、特にオフシーズンには、こういう思い切った交渉も可能ということ。積極的な相談をおすすめしますよ。) 朝食後、8:00に我々の宿まで迎えに来てくれたおじさん(ジェイミと言う)と奥さん。車はランジローベル(Landrover、ランドローバーね、いわゆる)。見るからに強そうでたくましい車ですねぇ。 道中、少しずつ観光スポットを立ち寄りながら進んでくれるというジェイミ。まずは、ジェリの街からほど近い、cavalo marinho(カヴァーロ・マリーニョ→海の馬→タツノオトシゴのこと)が見られると言う川へ。 朝一番の客だった我々は、船着き場のおじちゃんたちに歓迎され、すぐにボートを走らせてもらいました(一人R$10)。それほど川幅が広くはないものの、おだやかで気持ちのいい川。どうやらこの川べりにタツノオトシゴが生息しているらしい… しかしタツノオトシゴなんて見たことないなぁ。水族館にいたっけねぇ?でも地味な存在だよね…??? どんなだっけ… などと思っていると、さっそく船頭さんがタツノオトシゴを発見。持参した器に入れて見せてくれました。 写真があまり良くないけど、赤いタツノオトシゴ!確かに海の馬と言う名の通り、ウマっぽい顔が可愛いですね。これが、水の中で、タテになってゆらゆら泳いでるんですよ。体長は15センチくらいだったでしょうか。 野生のタツノオトシゴなんて初めて見ましたよ。思いがけずいい経験させてもらったわ。 そして車はどんどん進み… 途中、いくつかの川をはしけのようなものに乗って渡り… この川も、乾期になると、はしけいらずの乾いた道になるんだそうですよ。今の時期だけの一苦労なんだそうです。雨期ってすごい。 しばらく走り、次の名所「Tatajuba(タタジューバ)」へ。この小さな村は、かつて、大きな砂丘の動きに飲みこまれてしまったんだそう。砂が風に押しやられ、町の端の方からどんどん建物などを埋め尽くし、住民は少しずつ移動して暮さなければならなかったんですって。今は、Nova Tatajuba(ノヴァ・タタジューバ:新タタジューバ村)と言う自治体になって街は機能しているようですけれど。しかしすごい話ですよねぇ、砂に埋まってしまう街って…。 それだけの村ですから、砂丘は豊富です。そして我々の車、割に大きな砂丘のてっぺんまでガンガン上ってしまうのです。強い! ここの砂丘名物は、Esqui Bunda(エスキ・ブンダ)。直訳すると尻スキーですが、要するに砂丘のてっぺんから下の方まで板にまたがってお尻で滑り降りるという遊び。これは子どもたちが黙っているわけがありません。1回R$5を、板貸出しの少年に渡すんですけど、結構いい商売だよねぇ… でも砂丘の斜面が結構急で、おもしろいようにスピードにのって滑れるから、実は大人でもかなり楽しい!私もやってみましたけどね、体重があるからいまひとつ速さに欠けましてね(苦笑) ハイシーズンの時は、結構な行列が出来るんだそうですけど、この日は時間帯が早かったせいもあって、我々の貸し切り状態!あぁ、ビバ!オフシーズンですな。 ちなみに、タタジューバへの日帰りブギーツアーはジェリの街から出ていて、4人でR$180程度とのこと。 このあたりの自然の風景も素晴らしくて、雄大さがジェリ以上で、なかなか感動させられるものでした。この時期ならではというのが、砂丘の白と、草木の緑が一つのシーンに収まると言うこと。これ、乾期だと、一面真っ白の砂丘風景なんですって。 途中、Camocim(カモシン)というそれなりに大きい街のポルキロレストランでランチ。東洋人なんて見たことない!って顔で、街ゆく人にじろじろ見られましたねぇ、ここでも…。 この日は、割と普通の道路(ちゃんと双方向で車が行き交える、舗装された道路)を中心に走りました。だから、かなり距離は稼げたと思います。いろいろ寄り道した割には、出発してから7時間後の15:00には、本日の最終目的地であるピアウイー州パルナイーバに到着しました。ここは案外大きな都市です。現在のテレジーナが州都になる前は、ここがピアウイー州の州都だったと言います。 正直、今回の旅で、ここに来る頭は最初は全くなかったのですが、ジェリ・デルタ・レンソイス…というのが3点セットだということで、ぜひ時間が許せば行くべきだと強く推薦され、ならば…という感じで事前調査もあまりないままに来ちゃったんですが。 ここは、世界最大のデルタの一つだそうです。デルタって何のことだっけ?三角州だよね確か?地理の時間に名前だけは覚えた気がするけどどういうことだっけ??? お互い世界史専攻だったので地理にはうとい私たち。ポル語で説明を受けるも、5本指のように川が広がり、海に流れ込んでいるのだ…中州にはたくさんの島があって多くの人が住んでいるのだ…という話で。どうもイメージがわかないまま、スピードボートでデルタを巡るツアーというのに参加してみました。 Ilha GrandeというエリアのPorto das Tatusという船着き場を15:30に出発。所要3時間ものボートツアーだそうで…3時間って結構長いよね!どんだけ広いんだろう…。 まずは川幅の広い川をボートは進みます。途中、素朴な船で魚釣りをしている漁師のおじさんたちとすれ違いながら。 ボートは途中、狭い水路のようなところに入っていきます。こういう天然の水路のことを、ポル語ではIgarapé(イガラペー)と言うそうです。 ここでなんと、天然のコメが生えている場所を発見!コメが川の中に生えている!!! コメ農家出身者としては、これは突っ込んで聞くしかありません。ボートでそばに寄ってもらい、稲穂を見せてもらったら、本当に米でした。長いコメでしたけどね、まぎれもないコメでした…。こんな状態でコメが育つなんて〜。なんだか感動。 この水路は、ところどころ木々が覆いかぶさるように生えていて、狭くなっているところもあり、ちょっとしたジャングルクルーズのよう。そして木の上にはサルがいたり野鳥がいたり… このあたりも、パンタナルかアマゾンか、という気分になれます。 そしてボートは、ばーーーんと開けた海のようなところに入ります。川の水が茶色くて、これが海ではないことがわかるんだけど、海と見まがうほどの川…。河口付近ですね。でかい。 そして対岸の砂浜に降り立ちました。一面の砂浜はまるで巨大なビーチ!でもここは川なのよね。 砂の感触が不思議で、一歩一歩、ずぶずぶとぬかるの。足跡が沈んでるのがお分かりでしょうかね?この感覚がおもしろくて。 砂の中から顔を出す、きゃしゃな草が可愛くて思わず撮影。なぜか一列に並んでいるし! この砂地で見つけた生き物は、黄色いカニとか、足が黄色い鳥とか。 カニを持っているのは、船頭兼ガイド(英語も話せる)の兄さんです。 こんなだだっぴろい砂地に、なぜかポツンと1軒の家が…そしてポツンとたたずんでる上半身ハダカのおじさんが… この方は、漁師のマヌエルおじさん。家は町の方にあるそうだけど、ここで数日寝泊まりしながら漁をしては家に戻るという生活を繰り返しているんだそう。家の中も快く見せてくれましたよ。ハンモックひとつとござと、鍋とカシャッサの瓶が転がっているだけのシンプルな部屋でしたけどね。 正直、こんなロケーション(ほとんど無人島みたいに人けナシ)で、たった一人で寝泊まりしてて怖くないですか?と思わず質問しちゃったわよ。そしたら、もう慣れたし、泥棒だってこんなとこまで来ないから怖いことなんてないよ!ですって。そ、そりゃそうですね… 日も暮れてきたので、マヌエルおじさんとの別れを惜しみつつふたたびボートに乗り、来た方向へと戻ります。ボートに長く乗っていると案外風が涼しくて、寒くなっちゃった。そんなこともあり、帰り道は急ぎ目で、本来の見学(もっと動物探しに時間を割いたりするらしい)を削ってもらって、一路、船着き場へ。17:50になっていました。 対岸の島にある家に帰るという学生がたくさん乗った「スクールボート」が間もなく出航するところでした。そういうとこ、ちょっとアマゾンっぽいですよね。 この日の宿はもちろん予約していなかったので、運転手のジェイミおすすめの宿を何軒か見せてもらいました。シーズンオフだから今は営業してないよ、と言われたり、ちょっとあまりに古くて狭すぎたり…という宿をお断りしたりして、結局は町一番と言われるホテル、「Pousada dos Ventos(ポウサーダ・ドス・ヴェントス)」へ。それでも4人で1泊R$125(約6500円)だから安いです。地方はこれだから嬉しい。 このまま奥さんの実家に行って、明日の朝ここにまた迎えに来てくれるのかと思いきや…ジェイミと奥さんも今夜はこの宿に泊まっちゃうと。ガイド価格で激安になるそうで。そうですかそうですか、せっかくだからお二人も楽しんでもらえれば私たちも嬉しいからね。 さて夜はホテルのレストランにしようか迷ったけど、気になっていた寿司ナイトは木曜日のみだと言うし(っていうか、こーんな地方の町でも寿司は健在だと言うことに軽くびっくり)、一般メニューもそれほど目を引くものではなかったので、外に出てみることに。 港の旧市街方面に、ちょっといいレストランがあるらしかったけど、そこまでタクシーで行くほどでもなかったので、ホテルから歩いて10分ほどのレストランエリアに行ってみました。オープンエアで賑やかで楽しそう! しばらくシーフードが続いていたので、ここでは久々にピッカーニャの鉄板焼きを食べました。それと、パルナイーバ名物の「カニのつめのフライ」をオーダー。写真の色が良くないけど、なんとなく形はわかりますかね?軽くフライドチキン型のカニつめフライです。タルタルソースにつけて味わいました。確かに、他の地域ではあまり見かけないメニュー。美味しかったです。 |
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